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「リジュラン注射を受けてみたいけれど、顔がボコボコになったまま戻らなかったらどうしよう」と不安を感じる方は少なくありません。サーモン注射とも呼ばれるリジュランは、肌の再生能力を呼び覚ます優れた治療ですが、正しく理解していないと「失敗した」と後悔するリスクがあります。本記事では、リジュラン注射で起こりうる失敗例とその原因、理想の肌を手に入れるための対策を徹底解説します。
第1章 リジュラン施術後に起こりうる失敗例

リジュランは、ヒアルロン酸のように物理的なボリュームで形を作るのではなく、肌の土台を若返らせる治療です。そのため、特有のダウンタイムやリスクをあらかじめ知っておくことが、精神的な不安を軽減することができます。
1-1. 術後の凸凹(エンボス)や腫れが1週間以上引かない
リジュラン施術を受ける際、最も注意すべきなのは注入した部位が蚊に刺されたようにプクッと膨らむ現象です。通常であれば、この膨らみは2〜3日、長くても5日程度で自然に吸収され、肌は平らな状態に戻ります。
しかし、稀に1週間を過ぎても凸凹が目立ったり、不自然な腫れが続いたりすることがあります。これは医師が注入する層を浅く設定しすぎたり、1点への注入量が多すぎたりする技術的なミスが主な原因です。また、体質的に水分を抱え込みやすい方の場合は、通常よりも腫れが長引く可能性もあります。7日目以降も改善が見られない場合は、施術を受けたクリニックへ相談することをおすすめします。
1-2. 目の下の内出血・青あざ・色素沈着の定着

特に皮膚が薄い「目の下」への注射は、非常に繊細な技術を要します。細い針を使用しても血管を傷つけてしまうことはあり、その結果として内出血や青あざが生じます。
多くの場合は1〜2週間で自然に消えていきますが、稀に色素沈着として肌に定着してしまうのが失敗の1つです。「ダウンタイムが予想以上に長く、仕事に行きづらかった」といった声も多く聞かれます。内出血が出た際は、血流が良くなりすぎる行為を避け、カバー力の高い医療用コンシーラーで保護しながら、肌の再生を待つことが必要です。
1-3. 稀に発生するアレルギー反応と「しこり」の形成
リジュランの主成分は、サーモンから抽出されたポリヌクレオチド(PN)という成分です。生体適合性が高く、アレルギーは極めて稀ですが、魚アレルギーがある方は拒絶反応が出る可能性を否定できません。
また、不適切な注入や過剰な免疫反応によって、体内に肉芽腫というしこりが形成されるリスクもあります。リジュランはヒアルロン酸と異なり、万が一の時に薬剤を溶かす「溶解剤」が存在しません。一度しこりになると自然吸収を待つか、別の処置が必要になるため、事前のカウンセリングでの確認が極めて重要です。鮭や魚にアレルギーがある場合は、スネコスやプロファイロといった他の肌質改善メニューを検討すべきでしょう。
第2章 「リジュランは効果がない」と感じてしまう5つの原因

「せっかく高い費用を払ったのに、期待した効果が得られなかった」という声の多くは、実はリジュランという治療の特性を誤解していることに起因しています。
2-1. 即効性の欠如:ヒアルロン酸のような「充填効果」との勘違い
最も多い原因は、リジュランを「シワを瞬時に埋めるフィラー」だと思い込んでいることです。ヒアルロン酸は物理的に溝を埋めるため直後から変化が出ますが、リジュランは細胞を活性化させて肌を「育てる」治療です。直後の腫れが引いた後に「元に戻ってしまった」と感じるのは、肌内部での再構築がまだ始まっていないためであり、失敗と言い切ることはできません。
2-2. 施術回数の不足:1回で完成だと思っているケース
リジュランは1回の治療で劇的な変化が出るものではありません。細胞のターンオーバー周期に合わせて、通常は3回から4回の継続を前提としています。1回目では化粧ノリが良くなる程度の変化でも、3回目以降になると肌弾力数値が明らかに向上し、ハリを実感できるようになります。「まずは1回だけ」というスタンスでは、本来の改善を実感する前に止めてしまうことになり、結果として「コスパが悪い」という評価に繋がりやすくなります。
2-3. 症状とのミスマッチ:深すぎるシワやたるみに使用している
リジュランが得意とするのは、肌密度の向上や小じわの解消です。骨格レベルの萎縮による深いほうれい線や、皮膚自体の重度のたるみに対しては、リジュラン単体では力不足を感じるでしょう。自分の悩みがリジュランの適応範囲内かどうかを正しく見極めないと、高い費用を払っても満足いく結果が得られず、「失敗した」と感じることになるでしょう。
2-4. メンテナンス不足:効果の持続期間と「戻り」の理解不足
老化は日々進行しているため、リジュランの効果も永久ではありません。1セットの施術を終えた後、半年から1年ほどで緩やかに元の状態へ近づいていきます。この経過を「効果がなくなった=失敗」と捉えてしまうのは、事前の説明不足かもしれません。若々しい肌を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
2-5. 痛みが強すぎて「効果を感じる余裕」がない心理的要因
リジュランは薬剤の粘度が高く、注入時の痛みが非常に強いことで知られています。この痛みが強いストレスとなり、ダウンタイムの辛さがメリットを上回ってしまうと、「二度とやりたくない」というネガティブな記憶が強く残ります。心理的な余裕がなくなると、その後に現れるはずの効果にも目が向かなくなってしまうのです。
第3章 なぜリジュランで失敗するのか?
失敗の背景には、クリニックの選び方や医師とのコミュニケーション不足が深く関わっています。
3-1. 注入量・注入層(深さ)・手打ち技術の未熟さ
リジュランのポテンシャルを引き出すには、真皮層という適切な深さに薬剤を届ける熟練の技が求められます。最近では水光注射のような機械打ちも普及していますが、薬剤の漏れを防ぎ、気になる部位へ集中的にアプローチするには手打ち(ナパージュ法など)が優れています。しかし、手打ちは医師の技量によって凸凹の出方や持続期間が大きく左右されるため、経験豊富な医師を選ぶことが成功するための絶対条件となります。
3-2. リジュランが向いていない(適応外)
そもそもリジュランで解決できない悩みを抱えている方に、無理に施術を勧めるクリニックには注意が必要です。リジュランは目元の小じわや肌の薄さを改善したい人には最適ですが、顔全体をリフトアップさせたい方には別の選択肢が適しています。自分がリジュランで救える肌悩みなのかを客観的に判断することが、失敗を回避するために必要不可欠です。
3-3. カウンセリング不足による「思っていたのと違う」問題
医師とのゴール設定がズレていると、術後に不満が生じやすくなります。5分程度で終わる形式的なカウンセリングではなく、肌診断機などを用いて現状を分析し、リスクや不適応を正直に話してくれるクリニックを選びましょう。メリットだけでなく、デメリットやダウンタイムのリアルな姿をいかに丁寧に解説してくれるかが、信頼できる医師を見極める基準となります。
第4章 リジュランで失敗しないためには

リジュラン治療を成功させるには、ただ受けるだけでなく、事前に計画することが不可欠です。ご自身の肌状態や目標に合わせた「正しい選択」をするための3つのステップを解説します。
4-1. ステップ1:悩みに合わせた「製剤」の適切な選択
リジュランには、粘性や目的が異なる複数のラインナップが存在します。自分の悩みに合わない製剤を選んでしまうと、思うような効果が得られなかったり、逆にダウンタイムが長引きすぎたりする原因となります。以下の表を参考に、目的に最適なものを選びましょう。
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製剤名 |
特徴と適した部位 |
痛み・ダウンタイムの傾向 |
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リジュラン(ヒーラー) |
顔全体のハリ、ニキビ跡の改善。 |
標準的。数日は凸凹が出る。 |
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リジュランアイ |
目の下の小じわやクマ。馴染みやすい。 |
粘度が低く、比較的マイルド。 |
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リジュランHB |
ヒアルロン酸配合。高い保湿力が特徴。 |
麻酔入りで、痛みが最も少ない。 |
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プルリアル |
進化版PN製剤。非架橋ヒアルロン酸配合。 |
即効性、ハリ求める方に推奨。 |
4-2. ステップ2:成功のカギを握る「3〜4回の継続」と間隔
リジュランは、1回ごとに肌の基礎体力を底上げしていく積み上げ型の治療です。細胞の再生サイクルに合わせて、2〜4週間おきに合計3回から4回受けるセット受診を基本と考えましょう。1回目の施術では肌の潤いを感じる程度ですが、回数を重ねるごとにコラーゲン再生が活発になり、毛穴の引き締まりや肌の弾力をはっきりと実感できるようになります。この継続の必要性を理解しているかどうかが、最終的な満足度を大きく左右します。
4-3. ステップ3:他の美容施術との賢い組み合わせ術
リジュラン単体でも十分な効果を期待できますが、他の施術と組み合わせるコンビネーション治療を行うことで、さらなる相乗効果を狙うことが可能です。例えば、毛穴や表情ジワが気になる場合は「リジュラン×マイクロボトックス」が非常に有効です。肌質の底上げと皮脂抑制を同時に行うことで、滑らかな質感へと導きます。また、ダーマペンやポテンツァといった機器と併用し、薬剤の浸透率を高めるアプローチも、効率的に改善を目指す方におすすめです。
第5章 安さだけで選ばない!後悔しないクリニック選びの3基準
リジュランは、医師の注入技術が結果に直結する施術です。価格の安さだけに目を奪われず、以下の3つの基準で信頼できるクリニックを見極めてください。
5-1. 症例写真の「ここ」を見る!信頼できる医師の見極め方
症例写真を確認する際は、美肌フィルターがかかったような写真ではなく、注入直後から数日間のリアルな経過を発信しているかに注目しましょう。特に手打ちを得意とする医師は、部位ごとに細かく深さを調整する技術を持っています。注入箇所の均一性や、凸凹が消えるまでの透明性のある情報を公開しているクリニックは、技術への自信の表れと言えます。
5-2. カウンセリングでの「リスク説明」の誠実さを評価する
優れたクリニックは、メリット以上にリスクの説明を重視します。「誰にでも100%効く」と断言するのではなく、アレルギーの可能性や内出血のリスク、あるいは「今のあなたの状態にはリジュランよりも別の治療が適している」といった不適応を正直に伝えてくれる医師こそが、真の意味で誠実であると判断できます。
5-3. 痛みに配慮した「睡眠麻酔」の完備を確認する

リジュランを受ける上での大きな壁は、注入時の強い痛みです。当院ではこの苦痛を取り除き、リラックスして施術を受けていただけるよう、睡眠麻酔を導入しています。眠っている間に施術が終わるため、痛みへの恐怖心が強い方でも安心です。トータルの費用を比較する際は、麻酔代が「込み」の価格か「別途」必要かを確認し、納得した上で検討することが大切です。
第6章 ダウンタイムを最小限にする術後のアフターケアと緊急時の対処法
無事に施術が終わった後も、過ごし方ひとつでダウンタイムの長さや最終的な仕上がりは変わります。
6-1. 凸凹・赤みを早く引かせるための「当日の制限」と「鎮静法」

施術当日は、血流を上げすぎないことが鉄則です。長風呂、激しい運動、過度な飲酒は、腫れや内出血を悪化させ、凸凹が引くのを遅らせる直接的な原因になります。もし赤みや熱感が気になる場合は、清潔なタオルで包んだ保冷剤で軽く冷やすのが効果的です。また、炎症を抑えるCICA成分配合のパックなどで肌を鎮静させるケアも、スムーズな回復を助けます。
6-2. 日焼けと摩擦は厳禁!施術後のデリケートな肌を守るコツ
注入部位の針穴が塞がるまでは、肌のバリア機能が一時的に低下し、非常にデリケートな状態です。この時期に強い紫外線を浴びたり、洗顔で肌をこすったりすると、色素沈着を招き失敗と感じる原因になります。低刺激なドクターズコスメでしっかりと保湿を行い、徹底したUVケアを心がけてください。
6-3. 万が一「失敗した?」と思ったら……相談の基準と対処法
もし1週間が経過しても強い痛みや痒み、あるいは特定の場所だけ異常に盛り上がっているといった異変を感じた場合は、我慢せずに速やかにクリニックへ連絡してください。リジュランは自然に吸収される安全性の高い製剤ですが、体質による反応が出た場合には適切な処置が必要です。「溶かせる薬剤がない」という特性があるからこそ、トラブルを防ぐための初期対応が重要となります。
第7章 リジュラン注射に関するよくある質問
ここでは、多くの読者が抱きがちな懸念や疑問について、専門的な視点からお答えします。
7-1. リジュランで失明する可能性はありますか?
リジュランは、ヒアルロン酸のように血管を物理的に詰まらせるリスクが極めて低い製剤です。液状に近い性状で、組織への馴染みが非常に良いため、血管塞栓による失明などの重篤な事故が起きる可能性は、医学的に見てほぼ無視できるレベルといえます。過度に恐れる必要はありません。
7-2. 施術後にニキビが出るのは「好転反応」ですか?
再生プロセスの中で、一時的に肌が活性化し、皮脂分泌のバランスが変化することで小さなプツプツが出ることがあります。多くは数日で落ち着きますが、炎症が強い場合は単なる好転反応ではなく、薬剤への反応や衛生面の問題も考えられますので、医師に診てもらうのが安心です。
7-3. セルフケア用の「リジュラン美容液」でも効果は同じ?
市販の美容液(化粧品)に含まれる成分はPDRNなど分子量が小さく、角質層の保湿を主な目的としています。一方で、クリニックでの注射(PN)は、真皮層へ直接有効成分を届けるため、肌の構造自体を立て直すパワーには決定的な差があります。本格的な改善を求めるなら、やはり医療による治療が推奨されます。
7-4. 痛すぎて挫折しそうです。耐えるコツはありますか?
リジュランの痛みを我慢する必要はありません。当院では、眠ったような状態で施術が受けられる睡眠麻酔を完備しています。意識がほとんどない状態で注入を行うため、痛みや恐怖心を感じることなく、目が覚めた時には施術が終わっています。「痛みが原因で継続を諦めていた」という方にこそ、ぜひ選んでいただきたい方法です。カウンセリング時に「痛みへの不安」を気兼ねなくご相談ください。
ソワン美容皮膚科クリニック表参道院
院長 小平智文
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